大阪府吹田市で改修を計画しているいえの改修工事が進んでいます。
前回、解体工事が終わりましたので、今回は躯体の耐震補強工事の様子です。
柱脚と柱頭を確認してみると、金物がついていないことがわかります。
築55年なので、金物がついていたら驚いてしまいますが。
接合部をみると、柱にほぞ、土台にほぞ穴を加工し、差し込むことで土台に柱を固定していました。
上部の躯体の自重によって押さえつけることになるため、理にかなっているなと感心しますが、地震などで大きく揺れた際に柱が浮いたり抜けたりしてしまいます。
なので、柱が横架材から外れないように柱脚と柱頭に金物を取り付けていきます。
数日後に伺ってみると、しっかりと金物が取り付けられていました。
これで柱が土台や梁と接合されるので、地震がきても柱が抜ける心配はなくなりました。
今回は部分的な改修なので全ての柱が見えるわけではないですが、それでもおおよそ50本の柱に金物を取り付ける予定です。
金物は柱に対して上下2個取り付けるので、全部で100個ほどは大工さんに取り付けていただくことになります。
文章を書いていて、そんなに多いのかと驚きました。
また、柱の補強のほかに、梁の補強もお願いしています。
この梁は大体2間ほど飛んでいるのですが、もともとこのラインにリビングと廊下を仕切る壁がありました。
今回は壁を撤去してリビングを広くするのですが、それに伴い梁を支えていた柱を撤去しました。
この梁は2階の外壁を直接支えているので、既存の梁せいでは少し心配です。
そこで既存梁の下から補強梁をボルトで接合し、スパン飛ばしても問題ないよう補強しています。
安心感がグッと高まったのが写真からも伝わってくるかと思います。
日々補強されていく躯体を眺めていると安心感が高まっていくことを感じます。
引き続き適切に躯体を補強していければと思います。
WASH建築設計室 スタッフ 長辻