大阪府茨木市で耐震新診断に行ってきました。
昭和40年代築の建物です。調査時点で築約55年です。
今回は建物の床下の様子を紹介します。条件によって様々ですが、目に見えない床下は様々な異変が生じる可能性があるのです。
この年代でよくあるのは基礎のクラック=割れです。
鉄筋が入っていないのが当たり前の時代でしたので、基礎が割れている可能性が高いです。
だからと言って決定的に問題になるかというとそうでも無いですが、建物の歪みの原因の一つになります。
水気が多い土地では木材のカビの生じます。
それをきっかけにして腐朽菌や虫による食害が進むリスクが高まりますので注意が必要です。
この建物も床が柔らかくなっていて歩くとかなりたわみました。
構造材にそういう被害が及ぶ前に対処したいところです。
そして床下で気をつけたい上位に上がるシロアリです。
今回はシロアリが行き来するために作る「蟻道」を多数確認しました。
そのうちの一つは、指で破壊すると中からシロアリが出てくる「活動中の」蟻道でした。
床面より上の柱や敷居にはまだ蟻害の影響は見つけられませんでしたが劣化のリスク大です。
早急に対策を打つことをお勧めします。
床の大引きの木材にひっそりと張り付いているゲジゲジがいました。。。
スクティゲラ・コレオプトラタというみたいです。
ゴキブリなどを食べてくれる益虫でもあるみたいですが、見た目があれなのでびっくりです。
生きたシロアリが活動していることにもよるのでしょうか。。。
このように普通に生活している数十センチ下の床下ではまさに異世界が広がっています。
築年数の古い建物は特に。建物に大きなダメージを与えてしまう劣化が生じている可能性も高いです。
時々でいいのですが、潜り込んで状況を確認することが望ましいです。
ご自身でというのは大変なので、ご依頼いただければ耐震性能の調査と合わせてぜひ伺わせていただきます。
WASH建築設計室 日野弘一