F U T A T A B I C A B I N
多様で個性的な魅力ある山に囲まれた神戸において令和5年度より「登山」を楽しむ環境を向上させ、市民や来訪者の増加を目指す取り組みとして「神戸登山プ ロジェクト」が展開されています。
そのプロジェクトの取り組みの一環として、登山中に気軽に立ち寄ることのできる「休憩キャビン」を計画しました。
使用木材
構造材
建物を支える構造材及び羽柄材は計画地と同じ兵庫県の株式会社しそうの森の木に依頼しました。
兵庫県神崎郡神河町の杉材が主で、土台のみヒノキ材で構成しています。
野地板や筋交などの羽柄材も合わせて段取りしてもらいました。
杉本実板
壁の板材は岐阜県郡上市の杉材を使用しました。
岐阜県は関西からは比較的近距離であり、リーズナブルな価格で仕入れができるため採用しました。
一等品で購入し、設計サイドで選別をすることで節のない赤味の板を見えるところに使うことができました。
大黒柱
大黒柱には山桜を使用しました。現場から約50M離れたところで倒れた倒木を利用しています。
再度山の名の通り、一度倒れてもまた立ち上がる姿は登山者に勇気と元気な気持ちを与えてくれると願っています。
デッキテラス
休憩所の座面となる板には六甲山材の杉の厚板を採用しました。
流通量が多くない六甲産材。直接触れる部分なので山の力を直に感じられるこの部分にこそ採用したいと考えました。
ウッドマイルズから見るトレーサビリティ
国産材、地場産材を多く使うことで運搬にかかるCO"の排出量をかなり減らせています。
またほとんどの木材は伐採地まで把握できており出所のわかる材料にこだわることができました。
六甲テラスキャビン大師道
古くから外交の要地として栄えた港のまちには、多くの光が宿る。
一方で、清らかな水を育み、その豊かな自然で人々を魅了する六甲山系に宿る光は少ない。
この光あふれる休憩施設が六甲山系に光を灯す一歩となり、いわば”山の灯台” として登山者の標となる。
所在地:兵庫県神戸市
設計監理:WASH 建築設計室 日野弘一/浦上陽子
構造:木造平家建て
施工:六甲散策隊
(きつねもり、ワカバヤシ工務店、WASH建築設計室のJV)
竣工:2024年5月
面積:建築面積 22.77M2
延床面積 29.65M2
・神戸市プロポーザル採択
【主な仕上】
床 土間コンクリート拭き取り仕上げ
内壁 オスモウッドステインプロテクター、杉本実板(ア)12
天井 オスモウッドステインプロテクター、杉本実板(ア)30
外壁 オスモウッドステインプロテクター、杉本実板(ア)12
屋根 ガルバリウム降板