みなさんこんにちは。WASH建築設計室のインターンに参加させていただいている大学生です。
今回は滋賀にて計画中の住宅が上棟を迎えるということで見学させていただきました。
朝7時ごろから始まった建て方。私たちは10時ごろから合流させていただきました。その時点で柱と梁はもう組み上がっていました。
ちなみに私にとって初めての建て方見学でした。今まで柱と梁などの躯体が実際どのように接合しているのかずっと気になっていたので緊結方法について着目しながら見学しました。
例えば下の写真では軒桁に丸い穴をあけ、そこからとても長い柱頭金物(ホールダウン金物)を用いて梁と緊結していることがわかります。梁には金物を向かえいれる四角い穴が空いていました。また軒桁に仕口が施されておりそこに隅木がすっぽりハマっているようでした。
一方、窓台と間柱、柱と床材はビスや金物を使わず木組みが施されていました。大工さんが一つ一つ寸法を図りながら固定していくよりもプレカットされた材料を組み合わせていく方が時間短縮・寸法ミスを防ぐことができるからだそうです。
こちらの住宅は大きな傘のような方形屋根が特徴です。隅木が集まった木組み部分が四葉のクローバーのような形をしていて可愛かったです。
これらの梁は化粧材でリビングから見えるため金物・ビスが見えないように木組みが施されていました。
次に垂木を掛けていく過程を見学させていただきました。
屋根頂点側の梁に仕口があってそこに垂木をはめ込みながらビスも使って固定していきます。
その時垂木は軒桁より少し高く配置していました。
なぜ垂木を高くするのか疑問に思ったため質問してみました。
垂木をかけた後、垂木と軒桁の上に合板をのせる時、軒桁は平らだが垂木は勾配があるため、垂木下端と軒桁の高さが同じだとうまく斜めに合板がのらないからだそうです。(軒桁と垂木が同じ勾配であればいいのですが)
なるほど。現状ある垂木と軒桁だけを見ているとピタッと同じ高さの方が綺麗でいいと思うけれど、後の流れを考えると少しの高さの違いがとても大切だと感じました。
さらにこちらのお家では屋根の構造が2パターンに分けられていました。
それ故に軒桁高さが違う部分もあり最終的にピタッと納まるのかドキドキしました。
実際の現場では全体の流れをおさえることが大切で、それぞれの形状には必ず意味がある事、そして納まりを考えることがたくさんあるのだと実感しました。
午後からは別の現場へ向かい、16時ごろにまた戻ってくると垂木が掛け終わっていました。
左の写真からbefore~afterです。
今回の建て方では垂木が完成したところまで見学させていただきました。
厳しい残暑が続く中、大工さんはシャワーを浴びた後のように汗だくになりながらも連携し着々と組み立てていました。
そのような現場の雰囲気に触れながら建て方の細部についても教えていただき工事の流れを学ぶ事ができとても貴重な経験になりました。
建て方を迎える前にはお施主さんとともに岐阜のプレカット工場で吉野から取り寄せた化粧材の選別を行いました。
材料選びでは樹種の特徴と建築でどう利用されているかなどを学ぶ事ができました。材料選びからそれらが建ち上がるまでを見学させていただいたことでより理解が深まりました。
ちなみにブログを書いている本日も午後から本住宅の造作材選びに参加させていただきます。
竣工は12月ごろのようです。完成がとても楽しみですね。
最後にこちらの立地、夏が感じられる涼しげな風景が素敵なのでのせておきます。
竣工時ー冬の風景も楽しみです。
2024/09/11 インターンシップ学生 大前和佳子