広島県庄原市で設計に携わらせてもらったせとうち古民家ステイズの4年メンテナンスに行ってきました。
WASH建築設計室は2019年に開業した不老仙。2020年に開業したこざこ森の二棟を担当させてもらいました。
もう一棟の長者屋を担当したエムズ建築設計事務所のスタッフと、統括の設計事務所の六角屋のスタッフで対応しました。
大阪の千里中央から車で出発です。まずは庄原ICから一番近い不老仙からです。
不老仙 FUROSEN
不老仙は谷を登って一番奥にある古民家を改装した旅館です。
谷の奥というロケーションは、棚田を谷の上から見下ろす格好になり伸びやかで幻想的な眺望を生み出します。
改修工事から4年の年月が経ちましたが大きな劣化もなく、変わらず綺麗な姿で安心しました。
変わったのは建物の前にデッキができていたことです。
このデッキは元々は重厚な蔵が建っていた土台を活用したものになります。
竣工当初は予算の関係でその骨組みだけを保存したいた状態なのですが、ついにデッキとして活用されています。
またその一部にはクラウドハンモックが!少し立ち入るのにドキドキしますが、ここで寝転んで空を見るととても気持ちよかったです。
加えて、五右衛門風呂が。水着での入浴を推奨しているそうですが、周りに家がないこともありほとんどみんな普通に入るみたいです。
満点の星空の夜に、このお風呂に入れたらすごく開放的だと思います。
こうして竣工時よりもパワーアップした不老仙を見ることができ、とても嬉しい気持ちになりました。
宅内も変わらず綺麗です。無垢の木材がやけて艶が出て、かえって魅力が出たくらいです。
数点メンテナンス項目を挙げましたが、どれも大きなことではなく大きく問題はありません。
旅館の清掃や管理は地域の方がスタッフとして行ってくれています。この日も清掃中に伺う形になったのですが、とても丁寧にお掃除をしてくださっていました。そういった日頃のケアがこの状態を作ってくれているのだと感じました。
こざこ森 KOZAKO-MORI
こざこ森は茅葺き屋根の古民家ですが、その大半をスケルトン解体をし茅葺、構造体を見せた空間が特徴です。
メインの空間を土間にして、うちと外が溶け合った半屋外の空間になっています。
ペット同伴可で、グランピング要素を強めに出した個性的な旅館です。
こちらも大きな劣化はなく、一安心です。
不老仙と同じく、管理も丁寧にされていて建物が綺麗に経年変化をしてくれていました。
このガラス張りの外観は相変わらずインパクト大です。
こざこ森も不老仙と同じく五右衛門風呂が設置されていました。
雨の日にバーベキューができるようにタープのオプションも追加されていました。
長者屋 CHOJAYA
そして夕方になりましたが最後の一軒、長者屋に到着です。
長者屋での様子は続きのブログでご紹介したいと思います。
今回、久しぶりの庄原でした。
大阪に比べるとだいぶ涼しくて、もうエアコンがなくても快適な気候でした。
稲も刈り始めています。大阪の方はまだ稲は青々としています。
庄原の距離感が鈍っていて、どこの移動にも思っているよりも時間がかかり大変でした。
庄原市はとても広いのです。同じ市内でも不老仙から長者屋は1時間程度かかります。
この庄原スケールを懐かしみながら、楽しい1日目を終えることができました。
WASH建築設計室 日野弘一