以前事前調査に行っていた、京都府美山の古民家の耐震診断を実施しました。
事務所のある吹田市からは、高速があるので2時間以内くらいで到着します。
寒い時期の調査でしたが、古い建物で興味深く調査ができました。
小屋裏の様子です。
断熱材が使われていますが、古く機能しているかはわかりません。
雨漏りも起こっており、屋根のやりかえは必至です。
建物は由緒正く、棟札もしっかり残っていました。
真っ暗な中で見ると、少しびっくりしますね。
雨漏れの跡や動物のいた痕跡など、広範囲に残されていました。
また屋根から松が生えていたりと、ノシ瓦の漆喰の劣化もあります。
ここまで劣化しているとやりかえの判断が明確にできますね。
床下です。
柱が地盤面まで伸びている石場建の建物です。
束や大引きは蟻害が大きく、床はふわふわになっています。
床下も動物の糞が多くありました。何かの白骨もありますね。
ゴミも多く入り込んでおり、あまり状態は良くありません。動物や物が入り込まない対策が望まれます。
建物内部にも、ネズミやキクイ虫、シロアリなどの被害が見受けられました。
こういった事象は劣化状況として耐震診断に反映されます。
また、こういった項目を明確にすることで、耐震工事以外にもどのような工事が必要か明確になります。
ここから耐震性能と、劣化状況を整理して、クライアントにお伝えすることになります。
私としても、調査だけの仕事でも経年による建物の履歴を見られるのでとても勉強になり、好きな仕事になります。
これからも様々な調査に行けたらなと思っています。
WASH建築設計室 日野弘一