京都府南丹市のいえ。
急ピッチの内部の仕上げ作業が終わり、現場は静かになっています。
養生が剥がされ、美装工事も終わり、建物は完成間近です。
引っ越しまで残り数日。残った作業は設計側のDIY塗装です。
外部の木材に続き、内部の木材の塗装もWASH建築設計室が行いました。
まずは寝室の塗装です。寝室は腰壁が杉板張りで、ベッドボードの天板は国産のカバの一枚板です。
腰壁の杉板は、本実加工が施された本実板です。先に実部分だけ塗ったものを大工さんに張ってもらい、張られた状態で仕上げの塗装をします。
実の部分を先に塗っておくことで、板がすいてきた時にも綺麗に見えます。
天板のカバには蜜蝋オイルを塗りました。
元々超仕上げされていて美しいですが、塗料を塗ることで濡れ色の艶が出て一層綺麗になりました。
ちなみに床は国産無垢の三層パネルのCLT、Jパネルをそのまま使っています。
ここはあえて素地のままにしています。針葉樹はクリア塗装をすると木目が出過ぎるのです。
次は居間や食堂、台所が連なるメインの空間です。
塗装をする前はこのような雰囲気です。
しましまになっている壁は、外壁と同じ押縁仕上げになります。
胴縁の方だけ、先に塗っていた材料が余っていたのでそれを使ってもらっています。
造作照明は一部塗装をしています。
木の色は好きですが、全て木の色のままだと少し空間がぼやけることが多いので、差し色で色を入れていきます。
桜の大黒柱は、元々木の色が濃いのですが、こちらも蜜蝋を塗ると非常に深い色味が出ました。
塗装後はこのような感じになりました。
塗装前に比べるとグッと締まったと思います。
床はサクラですが、こちらはオスモのクリア塗装が施されています。
テーブルはWASH制作のオリジナルですが、国産の無垢材のタモの幅はぎ板にこちらはえごま油を塗っています。
他にも棚板の取り付けなどの作業をしているとすっかり暗くなりました。
掃き出し窓の格子網戸も入り、夜景が魅力的です。
お引っ越しまで残りわずか。
いよいよ次回は施主検査です。
WASH建築設計室 日野弘一