南丹市のいえにて、古くなった瓦を用いて駐車場と玄関門の屋根をつくりました。
今回使用したのは、以前建っていた民家を解体したときに廃材となった瓦です。
まだ使用できる資源を処分するのはもったいないことですし、処分費用もかかってしまいます。
そのため、DIYによって大量の瓦を駐車場と玄関口に生まれ変わらせることにしました。
写真左は途中経過で、写真右は全て敷き終えた駐車場の様子です。
瓦を敷く作業に入る前に、ネットやバラスなどを使いしっかり地面を平らにしておきます。
次に、瓦をまっすぐ整列させるために木の板を渡しながら瓦を並べていきました。瓦を並べ終えたら隙間にバラスを撒き安定させます。
その後、美しい仕上がりのために、不格好に挟まったバラスは写真右のように一つ一つ取り除きました。
作業途中に分かったのは、瓦のサイズは全て均一ではないことです。
推定築200年ほどの物件だったので、当時の技術では安定した火力調節ができずサイズにばらつきが出てしまったことが予想されます。
なぜサイズが違っていても屋根瓦は整然と並べることが可能なのか…。
玄関屋根に上げる瓦を地面に並べたときに気付いたのですが、瓦の形と組み方がパズルのようになっていたことがその理由の一つとして考えられます。
瓦の四隅は小さな正方形状に切り取られており、それらが周囲のパーツとカチッとかみ合うようになっていました。
かみ合わせるために特別なコツはなく、とてもシンプルな構造でした。
また、今回扱った瓦には、前垂れがあるものや両端のものなど合計で6種類ありました。
全て同じ形だと思っていたので、納まりが見える場所は別のパーツが使用されていたのは意外でした。
納まりを美しく見せるという考え方は今も昔も同じのようです。
上の写真が駐車場が完成した様子です。
余った瓦はハンマーで割って駐車場の大きめの溝に敷き、瓦の風合い満載の玄関になりました。
今回瓦に初めて触れ、普段何気なく見ていた瓦には多くの技術的な工夫が詰まっていることに気付きました。
さらに、瓦のことを知った後と前では、瓦葺きの民家が多い南丹市の風景も異なって見えました。
今まで知らなかったものの価値に気付くことができ、大変貴重な経験になりました。
アルバイトスタッフ 中尾