南丹市のいえ【7】解体後のお片付け

京都府南丹市の改修工事が始まりました。

まずは撤去部分の解体工事が終わり、その部分は更地になりました。

今回、古民家を地面に返そうということで、古民家の構造材、土、薪の枝などが現地に残されています。

これらを使うのは建物が完成した後になりますので、それまで邪魔にならないように整理する必要があります。

構造材は薪にできるものは薪にして、量を減らす。土は動かせないのでそのままですが、薪の枝などもぐちゃぐちゃになっているものを整理したり、汚いものはゴミとして処分します。

 

これが到着直後の現場の様子です。

綺麗に整理されていますが、よく見ると色々なものが置かれています。

 

今回のメインの作業は構造材をできる限り切断し、薪にすること。

また、薪用の枝が樹木の足元に散乱しているのでそれを整理することです。

解体することになった元々の古民家はかなり立派な建物でしたが、実際にバラバラに解体すると構造材はこのくらいか、という印象です。

確かに多いですが、今私が設計する住宅に比べると少し少ないとも感じます。

薪の枝は、二階に置かれていたもので、解体すると思ったよりも多く出てきました。

 

構造材は、今回は丸鋸で切断ができる角材をメインにして切っていきました。

写真をよくみてもらうと、奥と手前で二列になっています。なかなかの作業量です。

 

薪の枝は、適量ごとに束ねて整理しました。

汚いものや使いにくそうなものはゴミ袋に入れて持って帰ります。

 

元々、石の塀があったところに薪と枝を置くとこんな感じです。

1日の作業量としては頑張った方ではないでしょうか。

 

初めの写真と見比べて貰えばその差がわかると思いますが、薪の枝はほぼ移動できました。

構造材はまだたくさん残っているように見えますが、体感1/4は切ったつもりです。

この日は人が集まらず、休日ということもあって一人での作業になりましたが、とても疲れました。

 

薪の枝のゴミも、結構な量になりました。

これは持ち帰って産廃として処分しました。

 

元々、建っていた古民家をゴミとして処分するのは失礼でもったいないということから「古民家を地面に返そう」と始めたこの作業。

口で言うのは簡単で、解体費用も抑えられましたがこういった作業がかなり生じました。

この日以外にも同じような作業で数日使っています。

 

ただ、こういった作業を通じることで、元々の古民家をできる限り次の住まいへ還元できることになります。

また、今回で言うと元の古民家の構造材を切断するのが大変だったのですが、どういった材料が使われていたのか。100年以上の年月が経つとどのような状態になっているのか、継手は?仕口は?使われている金物は?これらを身をもって体感でき、自身の設計に対しても考えることが多く得られた貴重な体験となりました。特にシロアリなどの被害のある材料を実際に丸鋸で切断する作業はとても興味深かったです。持ち上げた時の軽さ、脆さ、それらを体感することができました。

 

南丹市のいえでは、こう言った古材の再生の案をいくつか用意していますので、これからも古民家と対話をしながら、よりよい住まいの追求ができればと考えております。

 

 

WASH建築設計室 日野弘一

 

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