南丹市で進む古民家改修工事ですが、インターンシップに参加した学生たちで軸模型を製作しました。
住まい手さんに建物デザインや間取りを分かりやすく伝えるためにつくる意匠模型に対し、
軸模型は現場の大工さんに図面だけではイメージしづらい部分を分かりやすく伝えるために製作します。
茶色の方は改修棟、白い方は増築棟です。
茶色は既存の部材を使用し、白は新たな部材を入れることを示しています。
この色の区別によって、例えば改修棟の梁や大引き、土台と基礎の一部は新たな部材を使用して補強するということを
一目で理解することができます。
大学の設計課題で意匠模型はたくさん製作しますが、軸模型を製作する機会はほぼありません。
そのため教科書のイラストでしか構造の仕組みを見ることはなく、立体的に理解して頭でイメージできるようになるのはかなり難しいです。
実際に私自身も構造の授業は取っていましたが、用語はわかるけどどの部材がどう支え合っているかを説明できないという状態でした。
今回初めて伏図(構造を上から見た図面)を見たり、作り方や構造を教えてもらったりなど、自分の手で構造を一から組んでみる中で「そういうことだったのか!」という新たな発見が多くありました。結果的に部材同士のつながりや屋根がどのようにかかっているかなど、教科書の知識を自分の知識として定着させ立体的にイメージできるようになりました。
スプレーを使って茶色く塗装したり、細い部材を組み合わせるため中々安定しなかったり、細いパーツを大量に切り出したりと慣れない大変な作業もありましたが、軸模型製作はとても勉強になる経験でした。
WASH建築設計室には他にも古民家の構造を知ることができる軸模型が多くあるので、訪れた際にはぜひご覧になってみてください。
アルバイト 中尾