大阪市旭区太子橋のいえ。
築90年を超える古民家を性能向上リフォームし、次の100年を見据えた再生を目指します。
耐震性能、断熱性能も改善し、増改築版の長期優良住宅をとれるレベルまで改修する計画です。
小屋組の補強工事が始まっています。
まず、小屋組の構造材の端部には全て構造用の金物を取り付けていきます。
地震で建物が揺れた時、梁が外れて落ちてくることが命を落とす要因として大きいです。
それを防ぐため、まずは接合部の補強に力を入れています。
次に、梁の大きさが不足している部分の補強を行います。
今回はなんと補強梁は構造計算上は必要ありませんでした。元々しっかり造られているのですね。
ただ、新しく耐力壁をつくる壁の上部には梁が必要になるので追加をしたり、現場を⾒て感覚的に必要に感じたところには適宜⼊れています。
補強梁の材料は、山本博工務店が得意とする熊野の杉材が主で、尺板(300以上)の⽴派な材料が使われています。
写真は、解体材で⾜場を組み、補強梁を⼊れるために柱を加⼯している様⼦です。
改修工事では大工仕事が活きます。プレカットなど半自動化も進む現代ですが、やっぱり人の手が必要になります。
こうして元々立派だった小屋組を、さらにアップグレードした小屋組が完成しました。
建物の中だけではなく、外でも解体工事は進んでいます。
上の写真は老朽化した既存の排水管です。
既存の土管の排⽔管が撤去され、新しい排⽔管が設置されました。新しい排水管には耐久性の⾼い塩ビ管が使われます。
建物の床下に埋まっていた延⽯や束石を集めて庭に置いています。
使わなくなった庭石も混じっています。
庭⽯は戻して延⽯は外構で使えるものは使いたいと思っています。
建物を90年間支えてくれた石を簡単に捨てることはできません。
立派に再利用できるよう考えていきたいと思います。