非常勤講師として勤めている大阪工業技術専門学校。
今年も緊急事態宣言の影響で実習の授業が出遅れていましたが、規制の緩和を受けて感染予防対策をした上での再開を果たしています。
今年も二年生は実物台の建物を造る棟上げ実習が始まりました。
今年もA棟とB棟の2棟に別れて実習を行います。
B棟は八角形の間取りの変わった建物です。納まりが難しく、ボリュームも大きいので人数を多めで望みます。それでも一人当たりの作業量はかなり多めになります。
A棟は人数が少なくなってしまいますが、これも例年と同じくらいの難易度の建物です。人数が少ない分、しっかりと力を合わせないといけません。
両方ともなかなか大変そうですが、やり遂げた時の成長はきっとそれに見合うものになるでしょう。
材料が加工場に入って、まずは材料の木配りから始めます。
今年は芯もちのスギ材が中心です。
まずは木の元と末を揃えて、次に梁の背と腹を同じ向きに揃えていきます。
学生主導の課題だと考えているので学生に判断してもらって作業を進めますが、間違えている時だけアドバイスします。
これが一通り並んだ状態です。
材料の材寸に合わせて並べています。
これで、木の節や色味をみながら建物のどこに使うか決めて番付を書いていきます。
同じ一等材でも色味や節の数はバラバラ。どれひとつ同じものはありません。
ここまでの材料を実際に触れる課題というのはそうそう体験できるものではないです。
学生たちもとてもいい勉強になったのではないでしょうか。
材料一つに対しての考え方をしっかり持ってもらえたら幸いです。
今は墨付けも終わり、刻みの作業が始まっています。
前期までに、桁の高さまでの棟上げが目標になっています。
怪我をしないよう気をつけながら、みなさん頑張ってください!
WASH建築設計室 日野弘一