最近ショックな出来事がありました。
吹田市千里の事務所の裏で猫が二匹、死んでいたのです。
ある日、一匹の猫が外で死んでいるのを見つけました。猫が外で死んでいるのは珍しいなと思っていましたら、なんと次の日にもう一匹死んでいたのです。
後で分かったのですが、それは近所のこの猫たちの飼い主さんが亡くなってしまってたことが原因でした。飼い猫たちが行き場を無くしてしまい今回の事件が起こってしまったようです。
そしてまだこの事件は解決していません。
他にもまた行方を無くした猫たちがいるのです。
猫が死んでいた数日後、私の事務所の前に置きっぱなしにしていた段ボールの中に、行き場を失った猫が一匹入り込んでいました。。。飼い主の家に入ることができなくなったため、寒さを防げる場所を探していたのだと思います。
とりあえずこれ以上死なれたらダメなので、事務所の裏に段ボール箱とお布団を用意しました。
早速入っているところを見ると、やっぱり冬の寒さがこたえていたみたいですね。
この時期になると、全体の様子もだいたいわかってきました。
生き残っている元飼い猫は三匹〜四匹であるということ。
亡くなられた方はこの場所を賃貸で借りていたため、引き払う予定であること。
ご親族の方は猫は引き取るつもりはなく、このままになるであろうこと。
このままでは全ての猫が全滅してしまう可能性があります。
また逆に、虚勢をされていない場合どんどんのら猫が増えてしまっても困ります。。。
個人ではどうしようもないので、知人や身内のつてを使って専門の方に相談しました。
結局猫たちを一旦捕獲して去勢手術を行い、里親を探すかさくら猫として遠目に世話をするかという結論に至りました。
ただ、それには結構な時間がかかってしまいます。
里親が見つかるまでの間だけでも寒さから身を守って欲しい。
今、私にできることを考えたところ、猫が寒さでやられないように小屋を造ってあげることにしました。
まずは材料集めからです。
猫小屋は小さいので端材が集めやすかったです。
滋賀県産のナラの幅剥ぎ板。高島市の森林組合に買い付けに行ったものです。
岐阜県の長良杉パネル。白鳥林業のパネルですが、実家の改装の時の余りです。
よく使う杉三層パネルのJパネルや、国産の栗の幅はぎ板。
その他、中国木材の国産無垢パネルなどが出てきました。
完全国産材料で、無垢材で揃えることができました。
次は墨つけです。
慣れたものであっという間に完了しました。
それを丸鋸で切断して仮組みしていきます。
大体の形が出来上がりました。
ほぼ無節の面を揃えているので綺麗です。
今回、個人的に初挑戦だったのは丸鋸の斜めカットです。
丸鋸の刃を斜めにして切るのですが、意外と難しくて今まで避けていました。
屋根の勾配に合わせて思っていたより上手にできました。Jパネルの小口が綺麗です。
こうした方が屋根の気密性が上がるので、挑戦してみました。
ナラの端材を使って脚を造ってみました。
猫小屋なので猫をイメージして建物の重心を上げて軽やかにしてみたかったのと、
事務所の裏は洗濯機などの排水で水っぽいことが多いので床を上げました。
床を浮かせるとこんな感じです。
壁を建てると思った通り綺麗に浮き上がりました。
材料が余ったので踏み台兼水置きをナラで造りました。
踏み台の先端も実は斜めにカットしてあり、見つけを細くデザインしています。
屋根は杉の国産無垢パネルです。
猫小屋の中の掃除などをしたいので取り外しができるようにしています。
ここでまた気密性を確保するために、屋根を二層にして半分落とし込むようにしています。
気密性も上がりますが、少しは断熱性が上がるので寒さ対策にもなるのではないでしょうか。
屋根は黒く墨汁で塗った材料の端材を使ったので中途半端に黒くなっています。
塗装ができていなかった軒裏、小口部分を墨汁で塗り直しました。
とても上手にできました。
最後に、小庇をつけることにしました。
これは桜の板を使っています。一気に玄関っぽくなりましたね。
踏板と室内の床の段差も拘っています。細かいですが。
こうして猫小屋が完成しました。国産の無垢材のみでできたコンセプトハウスです。
水飲み、餌のお皿を設置して、歓迎ムードです。
事務所の裏に設置した状態です。
ちょっと経ったら。。。
左の猫小屋の写真にはなかった猫の足跡が、右の写真ではできています。
これは早速入ってくれていますね。
嬉しいものです。
いました。うちの前の段ボールで寝ていた黒猫が。
最近では兄弟と思われる二匹が一緒に入っています。
これでこの冬を、無事に過ごしてくれることを願います。
そして本日、ついに猫の専門家に来ていただいて三匹の猫を捕獲しました。
虚勢手術、検査を行いました。結果を見て、里親探しやさくら猫化を推し進めます。
弊社のテナントはペット禁止なので私たちが飼うことはできません。
飼うことはできませんが、猫たちが快適に過ごせるようささやかな手助けをしていけたらと思っています。
日野弘一