調査に行ってきた東大阪市Y邸の耐震診断の整理をしています。
リンク:東大阪市Y邸耐震診断【既存建物調査】(前回のようす)
今年は大阪でも地震や台風などの被害がたくさんありましたので、
自宅が揺れて怖かった・・・という声もよく耳にします。
現在住まわれている家に改めて不安を持たれた方は、たくさんいらっしゃるかと思います。
東大阪市をはじめ、多くの市や区では、耐震診断にかかる費用のうち9割程度が補助されます。
住宅に対する漠然とした不安を、耐震診断を気軽に行えることで明確化できるのは、行政の素敵な取り組みですね。
Y様が既存建物に越してこられるとのことですので、
まず自宅の性能を知るということ、今後安心して暮らすための重要な一歩となります。
まずは地域について調べます。
今後、大きな地震に見舞われるのか。
深部での揺れに対して、地層の揺れはどのくらいか。
大阪を全体に見ても、地域で大きくばらつきがあります。
そのほか、液状化の危険度や、地番や地形について調べます。
Y邸は鉄板葺きの屋根です。
小屋裏からはバラ板が見え、外壁のトタンも見える軽い建物です。
小屋裏から確認した外壁や2階の内壁の仕上げ、
コンセントを外したところから確認した仕上げから、
耐力壁の箇所と種類を平面図に落として計算していきます。
基礎は無筋コンクリートですが、一部、土台まで届いてない基礎もあり、
そこに床の沈みが確認されています。
また、床下換気口付近の土台にひび割れがあります。
これらの情報も診断評価に入れていきます。
玄関横のタイルの割れや、雨染みなども数カ所目立ちます。
それらの劣化情報もくまなく確認して評価していきます。
以上のような情報で建物の保有耐力数を計算することができます。
建物の床面積から必要耐力を出し、保有耐力を除すことで上部構造評点の判定を行います。
50年以上前に当時の基準で建てられた建物を、現在の基準で評価するため、
多少厳しめな結果となりました。
しかし、現在の住宅に求められている標準の性能から、
どのくらい差があるのか、どこを改修することで効率良く性能を上げられるかなど、耐震診断をすることで分かることはたくさんありました。
これらの内容を、Y様にご報告するために、報告書を作成しています。
今月20日にY様にお会いして、結果のご報告をしようと思います。
(スタッフ:葉山)