講師として岐阜県美濃市にある岐阜県立森林文化アカデミーの木造病理学の調査実習を行ってきました。
美濃市は、うだつの上がる町並みが残っており、国の伝統的建物群保存地区に選定されています。
うだつとは、屋根の両端を一段高くして火災の延焼を防ぐために作られた防火壁のことで、裕福な家しかうだつを作ることができなかったため、庶民の要望から「うだつを上げる・うだつが上がらない」の言葉もできました。(出典 - https://www.kankou-gifu.jp/spot/1189/)
今回の実習では、写真左の建物を調査しました。はじめに講師陣から学生に既存建物調査の方法などについてレクチャーをして、実習を開始しました。今回、調査をする建物は実際に改築をして、学生のためのシェアハウスへと生まれ変わる予定です。
調査をする場所ごとに、1階床下・2階床下・2階小屋裏、そして平面図・断面図を作成する班に別れて行いました。
床下や小屋裏はそれぞれの梁や大引き、小屋組みなどの寸法や位置関係、含水率などを調べていきます。学生も我々講師陣も汗だくになりながら調査をしました。
調査も無事に終わり、森林文化アカデミーの関係者が改築したカフェ(写真左)で休息をとり、木の耐力壁がユニークなアカデミーの校舎に立ち寄って岐阜を後にしました。
学生および講師のみなさま、おつかれさまでした。
WASH建築設計室 日野弘一