大阪府吹田市千里にあるWASH建築設計室の事務所はRC造です。柱型は断熱材で囲った上にプラスターボードを張っています。そのプラスターボードの上に土塗りをDIYで行いました。
まずは養生です。
スイッチプレートは取り外し、ビニールで保護します。
その他、仕上げがしてある部分にも土がつかないように養生テープで縁を切っていきます。
この時に注意することは、土壁を塗ると厚みが出るので、5mmくらいすかしておくことと、和紙などに養生テープを貼る場合は破れないよう粘着度を考えてテープを選ぶことです。
プラスターボードに直接土塗り壁がつきにくいので、下地に吉野石膏のユートップを塗ります。
ただ水で溶かすだけで、簡単に調合することができます。
また、プラスターボードとプラスターボードの継ぎ目には割れ防止のためにメッシュを入れます。
メッシュはテープでつけるものもありますが、今回はユートップで押さえながらつけていきました。
プラスターボードもDIYで端材を張り付けているだけなので、継ぎ目の処理はガタガタですが、どうにか整えてもらいました。
継ぎ手の部分のメッシュ・ユートップの処理を終えたら、面で塗って行きます。
プラスターボードの黄色い壁がどんどんと白くなっていきました。
全面ユートップを塗り終えた状態です。
これはこれで味があっていい感じに仕上がりました。
少し乾かしながら、次に塗る土の準備を行います。
土は滋賀県の土で、藁すさを混ぜ込んでいます。
実は、一年以上前に自宅の壁を塗ったときの余った土で、倉庫に眠っていたものになります。
長い時を経て解放されました。匂いがするかと思いましたが、案外普通でした。
この土をユートップの下地に塗りつけて土塗り壁にしていきます。
真っ白な壁に茶色い土が乗っていきます。
慣れた手つきであっという間に全面に土が乗りました。
細かい部分は小さなコテを使って平滑にしていきます。
また右の写真のように、角を整えるためのコテもあります。
DIYとは言っても、こういうものを使って綺麗目に仕上げていきました。
塗り終わって養生を剥がした状態です。
また湿気ているので濃い色ですが、これからどんどん乾いて薄くなっていきます。
これは中塗りといって、本来であればこの上に漆喰や珪藻土などの仕上げを塗るのですが、あえてこの状態で仕上げる中塗り仕上げをよく使います。素朴な風合いが気に入っているのと、いざとなったらこの上に仕上げをすればもう一度なのしむことができると考えているからです。
一日経つと、上半分が乾いてきました。
紺色の阿波和紙の壁や、杉板張りの壁とも相性が良さそうです。
WASH建築設計室 日野弘一